Flathority スタッフ独自の視点から
鞄や革に関する話題を企画、公開していきます。

是非、ご覧下さい。

VOL.01[鞄制作の基本工程と鞄職人]
VOL.02[裁断工程と裁断職人]
VOL.03[桐トランクとサンプル職人]
 
 
--Project vol03-

今回の企画は、桐トランクを紹介。
製作を手掛けたのはFlathorityモデリストの若槻さん(25)

若槻さんはオリジナルのデザインからサンプルなどを入社以来担当している。つまり、量産型の職人さんと違い常に新しいモノを考案し具現化していくタイプの職人さん。
物腰が柔らかく丁寧に対応してくれた。

話すと温和な口調の中にも自信とはっきりしたビジョンを感じる。
工場2Fで貫禄たっぷりの職人さん達の中で、負けじと広めのスペースをしっかりキープし自分の良い製作環境を作り上げている所が性格を表している気がした。

「トランク製作の受注」
今回のトランクの注文が入って、Flathorityの責任者であるマネージャーから「お前が作ってみろ」と言われた時はすごく嬉しかったと言う。
もともと、若槻さんは「風天の寅次郎が持っていたようなトランクが作りたい」とこの業界の門を叩いた。願っても無いチャンスに意気込み、頭の中では、しっかりとフルレザーのトランクが想像出来ていた。しかし、目の前に用意されていたのはそれらしいサイズの桐箱・・・
正直、レザートランクじゃないのかとがっかりしたが、すぐさま頭を切りかえ、桐トランクのデザインに取りかかった。
 
「パーツの厳選」
全体のイメージが出来上がると、そのイメージのパーツを探し始める。
まず、金具探しは浅草橋の問屋街。金具にも色々あり、(ニッケルメッキ、金メッキ、アンティークメッキ等)普段使用する物は大方メッキが施されているもの。
しかし、今回は桐の高級なイメージに合わせ、削り出しの無垢の真鍮と決めていた。しかし、削り出しの無垢の真鍮で、既存の物で揃えるのは思いのほか難航した。
何件もの金具問屋を見て回り、デットストックのamietのダイアル錠から、かざり鋲まで探し、
どうしても見つからないパーツは、馴染みの金具屋さんに相談して探してもらった。
次に付属する革。これはいつもお世話になっているサライ商事さんの代名詞とも言えるイタリア・フィレンツェ郊外にあるワルピエ社のブッテ−ロを使用。
この革は、耐久性に優れ、質、経年変化による「味」の良さは他のタンニンなめしの追随を許さない。
唯一無二に等しく作り手としても、この革で仕事が出来る事に喜びを感じる事もしばしば・・
「仕上がり」
仕上がりは、御覧の通り!
最初のイメージ通りの出来栄え。シックな桐の質感とブッテ−ロと金具は上々相性です。
染料磨き仕上げ、総手縫いの一本手は中央の軸になる芯材から手に馴染むように計算されたRをつけている肉盛り芯に至るまで全てをタンニンなめしの革(ブッテ−ロのトコ革)を使用し品格と耐久性のあるものを意識し、内装には桐との調和を考えシックなカラーで落ち着きました。

用意された桐箱とトランクというアイデアだけで、25才が手掛けたとは思えない渋さ。

この桐トランクはFlathorityで製品化するとかしないとか?

今後もお楽しみに!


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