【Vol.03】WEB会員様限定企画-フルシェルコードバンミニ財布- はこちらから読む
フルシェルコードバンミニ財布と並行して進めていたのが、ブライドルレザーを使ったリュックの制作でした。
@fujiさんが「もっとも好きな革のひとつ」と語るブライドルレザー。
打ち合わせの場では、ご自身が実際使われているブライドルの財布を持参し、美しくエイジングしたその革を見せながら、その魅力を熱く語ってくれました。
「ブルームの感じがかっこいいっていう人も多いですが、僕はブルームが取れたあとに出てくる、あの言葉にしづらい独特な光沢がたまらなく好きなんです。難しいかもしれませんが、バッグを作るならブライドルでやってみたいです。それも、あまり見たことのない“リュックタイプ”で。」
その言葉から始まった“ブライドルレザーリュック企画”。
ところが、これが想像以上に大変でした。
ブライドルレザーはとにかく厚くて硬い。
ヘリ返しも難しく、制作上の制限が多い。
他社がブライドルでリュックを作らない理由を痛感しました。
■ 妥協なきこだわりと、終わらない試行錯誤
早い段階でデザインは「スクエア型」、内装はPCポケットが必須で、裏地は高級感と耐久性、実用性を考慮し人工スエードで進めることに決まりましたが、ブライドルレザーをどこのものを採用するかも悩みどころでした。
定番のセドウィックやクレイトンも候補として上がりましたが、よりブルームが厚めで芯通しされており、適度にしなやかさのあるトーマスウェア社のものがより今回のリュック企画には合っているんじゃないかということで採用を決定。
また背面、ショルダーベルト裏の体に接着する部分においてはこのブライドルレザーに合う色移りのない革を探しましたが、しっくりくるものがなくいっそのことオリジナルでこのブライドルレザーとより質感がマッチした防水オリジナルレザーを作ってしまおうという事に、、、もう後戻りはできません。
■ 余計な装飾は美しい経年変化の邪魔になる
フルシェルコードバンミニ財布の打ち合わせ同様にここでもfujiさんのこだわりには驚きの連続でした。
革製品に対する確固たる美意識をお持ちで、細部の細部まで徹底的にこだわります。
- 「せっかくの良い革なので、無駄な装飾はなくてよいです。特に前胴はフラットに。段差があると、経年変化したときに邪魔になります。」
- 「背面はよくメッシュになっていますが、メッシュはスーツを痛めるので、ここも革で仕上げたいです。」
- 「ハンドルはあった方が良いけれど、前胴同様に出っ張ると全体のバランスが美しくないので、差し込み式が理想ですね。」
さらにポケットのサイズ、背面のクッション性、底鋲を含む金具の高さ……全て数ミリ単位の調整。
気が遠くなるような検証を重ねました。
サンプル修正は4回。パーツサンプルを含めると数えきれません。
担当した職人も何度も根を上げながらも最後まで丁寧に仕上げてくれたことには感謝しかありません。
そうして幾度もの試行錯誤を経て、 ついに完成したのが――
この「ブライドルレザースクエア型リュック」です。
■ 1年半の歳月を経て、ついに完成
- ファスナーに干渉してしまうマチの形状をゼロから見直し。
- ハンドルも使用しない際には目立たぬよう差し込み式かつ手抜きはせずに肉盛りを際立たせた贅沢な仕様。
- 背面は背負った時の感触を第一にクッション性と高さ何度も調整、色移り防止も含めブライドルと相性の良い防水レザーを一からオリジナルで制作。
1年半にわたる試作と検証の末、ついに「ブライドル・スクエア型リュック」が完成しました。
鞄メーカーとして年間何万本とバッグを作っている私たちでさえ、思わず息を呑むほどの出来栄えに仕上がっています。
税別150,000円。
前回ご紹介のホーウィンシェルコードバンミニ財布も含めて、この企画は本当の意味でFlathority(革鞄工房猪瀬)にしか出来ない製品となったのではないでしょうか。
細かいディティールは実際に販売ページが出来上がりましたらご覧ください。
今後は12月中旬発売に向けて制作の裏側やこだわりのポイントをSNS(インスタグラム)にて随時発信していきます。
会員様限定商品となりますので、ぜひ Flathority Web会員 にご登録いただき、発売開始を楽しみにお待ちください。
Vol.01からVol.04までコラムとして、会員様限定企画商品の経緯から製品に対する想いやこだわりを紹介してきました。
最後までお読み頂き誠にありがとうございます。






















