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Flathority小話その3【1つのアイテムは様々な人々が携わって生まれる/裁断屋編】
職人といえばミシンを踏んで財布などのアイテムを作り出す人のこと。一般的なイメージといえば、こんな感じではないでしょうか?
かく言う私もFlathorityを運営する(株)猪瀬に入社するまでは、職人はミシンを扱う人のことだと思っていました。しかし、いざ仕事を始めると、実に様々な業種の職人がいることに気づきます。
本日はFlathorityを運営していくうえで欠かせない様々な業種の中で、裁断屋についてご紹介します。
裁断専門の職人
今回紹介するのは裁断を専門とした職人です。
(株)猪瀬では年間に約6万本のアイテムを生産しているのですが、これだけ多くの生産をこなしていくには、多くの協力業者との連携が必要不可欠となります。その協力業者の一つが裁断屋。裁断を専業としていて、大小ある裁断機を用いてパーツを用意してくれています。
もちろん、社内にも裁断の職人はいるのですが、社内だけではとても回しきることはできません。一つの革鞄には何十ものパーツが使われていますから、量産となるとパーツの総数は1000を優に超える場合があります。
裁断屋は無数のパーツを形、総数ともに正確に切り出してくれるのです。
本日はそんな裁断屋で見た大型機械のお話です。
CAD裁断をご存知でしょうか
先日、とある裁断屋にて大型の裁断機を目にしました。
CAD裁断機と呼ばれるもので、文字通りCADデータを用いた裁断を行うことができます。イメージが付きづらいと思いますので、まずは動画をご覧ください。※再生の際は、音量にご注意ください。
なかなか見応えがありませんか?革製品にも大型の機械を使うことがあるんですよ!
簡単に操作などを解説
まずは、パーツの型紙を2Dで読み込んでデータ化します。そのデータを裁断前の革に当てはめていました。ひとしきり当てはめたら、データを元に刃のついた駆動部が正確に裁断していきます。テクノロジーとは凄い!
このCAD裁断機を使いこなすには、革を目利きする技量に加えて、PCを操作するスキルも必要です。素人が手を出せるような機械ではありませんね。私「なるほど」しか言えませんでした。笑
職人いわく、CAD裁断は革の無駄遣いを減らし、裁断忘れを防止できるんだとか。
革に光を照射して位置決めをするため、元の革に対して無駄なく裁断することができます。また、照射しているレーザーにはあと何枚裁断する必要があるのか記載がされています。これによって裁断忘れを防止できるのです。
革のロスが減るということは原価を抑えることに繋がるため、消費者にもメリットがありますね。
上部にあるモニターでパーツを選択することができます。ボタン一つでパーツを選びなおしていました!
モニターには裁断位置を表示することもできます。パーツ間の隙間が極端に狭いことがわかりますね。
本日は様々な協力業者の一つである裁断屋とCAD裁断をご紹介しました。世の中には本当にいろんな職人がいますね。
今後もアイテムの紹介だけでなく、製作の裏側や職人へのインタビューも載せて参ります!
今後のブログもお楽しみに!
吉岡でした!