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【梅雨到来】雨によってレザーに水染みができた際の対処法

2022年もついに梅雨の到来です。

Flathorityを運営する(株) 猪瀬の工場がある東京都でも雨の日が続いています。

梅雨といえば長く続く雨が特徴ですが、この雨はレザーにとって大敵ですよね。

雨染みやカビの原因となってしまい、レザーの劣化や美観を損ねることに繋がります。私も過去に貰い物の革小物を濡らしてしまって、大きな雨染みをつくってしまいました。あれは悲しかった。。。

私と同じような悲しい思いをせずに済むためには、事前に予防知識を付けておくことが重要です。事前や事後の対策を知っておくことで雨からレザーを守ることができます。

本日は「雨染み対策」として、雨への様々な対策をご紹介!

これから本格化する梅雨へ知識武装していきましょう。

 


【雨染み対策】事前準備編

では、雨染み対策の事前準備を行いましょう。

様々な状況を想定して、5つの対策を考えてみました。ざっと一覧をご覧ください。

 

  • 事前準備一覧
    ・防水スプレー
    ・そもそも革小物は使わない
    ・暗いトーン(色味)のレザーを使用する
    ・ビニールやカッパで革小物を覆う
    ・水への耐性があるレザーを使用する

 

それぞれ細かく見ていきましょう。

 


・防水スプレー

雨対策の代表格といえば防水スプレーです。外出前にスプレーを吹きかけるだけで水への耐性や汚れが付きにくくなります。

水染みができやすいことで知られているタンニンなめしレザーであるヌメ革で防水スプレーの実力を検証してみました。

向かって左半分のみにスプレーを塗布しました。その後、水を垂らします。

すると、明らかに左側の水は粒立って革に乗っている印象です。一方、右半分は吸い込んで馴染んできていますね。

一見するだけで分かるほど防水スプレーが機能していて驚きです。

濡らした後に水を拭うとこの様子

防水スプレーはレザーへ吹き掛ける際にムラがあると、防水スプレーによるシミができてしまう場合があります。そのため注意は必要ですが、雨染み対策の観点だけで注目すると有効な手立てといえるでしょう。

 


・そもそも革小物は使わない
・ビニールやカッパで革小物を覆う

この2は革を雨から守るための消極的なご提案です。

革が水濡れに弱いことはレザーマニアなら周知の事実。であれば初めから雨の日は革小物を使わない、もしくは、革小物をビニールで覆って隠してしまえばいいと考えました。

革小物が使えなかったりビニールで覆うことによる美観の低下を考えると最良の案ではないかもしれません。しかし、確実性の高い案なので覚えておくと良いでしょう。

 


・暗いトーンのレザーを使用する
・水への耐性があるレザーを使用する

先程実験で登場したようなヌメ革は雨染みが目立ちやすい素材です。

どうしてもレザーアイテムを使いたいのであれば素材だけでも気にしてみてはいかがでしょうか。

たとえばFlathorityで展開しているイタリアンレザーシリーズのコインブラトートは、若干の耐水性がございます。


Coimbra Tote(M) (CF-103) ¥59,950(税込)

 

イタリアンレザーの耐水性については過去記事で実験を行っているので、気になる方はこちらをご覧ください。


>イタリアンシュリンクレザーで色々実験してみた【水濡れ・引っ掻き】

 

また、色味の明るい素材は濡れたときに水濡れ跡が目立ちやすいので避けると良いでしょう。

例えば、真夏に着用するグレーのTシャツを思い浮かべてみてください。黒いTシャツよりも汗染みが目立ちますよね。このように明るいトーンの素材は濡れた際に、その跡が目立ちやすいです。

これを革製品に当てはめると、ヌメ革やトープ、ホワイト系の革は水濡れの際に美観を損ねやすいといえます。

ブラックであれば比較的水染みが目立たないので「耐水性のある革×ブラック」であれば雨の日にも使いやすいですよ!

 


【雨染み対策】もしも濡れてしまったら編

ここまではお出かけ前の事前対策をご紹介してきました。役立つ知識はありましたか?

この先は濡れてしまった場合の事後対策についてご紹介します。

今回も分かりやすいようにヌメ革を濡らしてみて実験します。対策する前と後で違いをご覧ください。

 

濡れた際の対策
①ハンカチなどで早めに水気を拭き取る
②濡らして固く絞った布で水拭きする
③風通しの良い場所で乾かす※型崩れしやすいので注意
④オイルメンテナンスする

 

また、それぞれ細かく見ていきましょう。

 


①ハンカチなどで早めに水気を拭き取る

濡れてしまったらなるべく早めに水気を拭い取ってください。これ以上、水分を吸い込まないようにします。

左:濡らした後にすぐ水気を取ったもの。

 

②濡らして固く絞った布で水拭きする

雨染みの色差を馴染ませるために水拭きします。全体のトーンが均一になるまで優しく拭き上げてください。

左:水拭きした直後の様子

※革製品を濡らしすぎてしまうと傷みの原因になりますので、少しずつ濡らしていきましょう。

 

③風通しの良い場所で乾かす※型崩れしやすいので注意

全体の色差がなくなり均一になったら、風通しの良い場所で乾かしてください。

革製品は濡れていると型崩れを起こしやすいので、新聞紙やタオルを入れて形を整えてから乾燥させましょう。

ドライヤーや乾燥機を使わずに自然乾燥がおすすめです。

 

④オイルメンテナンスする

1~3の手順で水染みは目立たなくなります。ただこれだけでは革が乾燥したままとなってしまい、ひび割れの原因になることも。

そこで、最後はオイルメンテナンスです。


革専用モイスチャークリーム (CB-001) ¥2,200(税込)

 

お手持ちのものや各革製品に合ったオイルを用いてオイルメンテナンスを行います。

お手入れ手順は別記事でご紹介しているので、気になる方はこちらをご覧ください。


>年末年始はお家でゆったり革製品をメンテナンスしませんか?【誰でも出来る超簡単お手入れ方法をご紹介】

 

全ての工程を終えたヌメ革がこちらです。

シミは全く分からないくらい目立たなくなりました。一方、色のトーンは一段暗くなっていますね。美観こそ取り戻したように感じますが、元通りとはいかない点は知っておく必要がありそうです。

 


メンテナンス方法を覚えてレザーアイテムを長く楽しみましょう!

今回は梅雨の時期に困ってしまう雨染み対策をご紹介しました。

雨といえば革製品の天敵ですが、対処法を知っていれば恐れるものではありません。

事前と事後の対策を講じて梅雨時期を一緒に乗り越えましょう!

 

仮に濡れてしまっても上記のやり方で改善する場合も多いです。焦らず対策したいですね。

とはいえ、水拭きすると色が深まってしまったり、エイジングが進んでしまうこともわかりました。

やはり、雨と分かっていれば革製品の使用を避けたり雨に耐性のある素材を選んだりと事前対策の方が重要そうですね。

昨年の梅雨時期には革製品の保管方法もご紹介しているので、ぜひご覧ください。様々な方向から革製品を守っていきましょう!


>【カビ対策】梅雨入り前に覚えたいレザーアイテム保管方法

 

本日は以上です。では、また!

 


本日登場したアイテム


革用プロテクティブスプレー(防水) (CB-004) ¥1,320(税込)

 


革専用モイスチャークリーム (CB-001) ¥2,200(税込)

 


Coimbra Tote(M) (CF-103) ¥59,950(税込)

2022.06.20 | その他
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