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高い物=丈夫ではない話

※過去に掲載した記事を再編集してアップロードしました。

 

「安かろう悪かろう」もしくは、「一生もの」。

生活していれば人生で1度は先の2つの言葉を聞く機会があったかと思います。

「安いんだから品質が悪くて当然。反対に、高級品なのだから一生使えるはずだ。」という状況で使われるこれらの言葉は、果たして事実を捉えた言葉なのでしょうか。

筆者が仕事を通じて革製品に携わった体感で言いますと「安かろう悪かろう」「一生もの」のどちらも完全に真実とは言えません。

ファストファッションでは高品質低価格を実現していますし、一方で、高くても縫製の品質がイマイチなアイテムも存在します。

 

本日はコラムとして、「高い≠丈夫」と思う理由を細かく考えてみました。

なぜ私がこのような考えに至ったのかを知っていただいて、上手なお買い物ができたり、偏った先入観から損することを回避するきっかけになれば幸いです。

 

それでは、いきましょう!

 


高い=丈夫ではない理由

 

高級素材は繊細?

いきなり質問ですが、次にご紹介する2つのアイテムを想像してみたとき、どちらの方がより丈夫なイメージがありますか?

  • ポリエステル100%でできたTシャツ
  • カシミヤ100%でできたTシャツ

さて、どちらの方が丈夫そうですかね。多くの方が①を選んだのではないでしょうか。

洋服に詳しくない方でも化学繊維のポリエステルと天然素材のカシミヤでは、ポリエステルの方が多少乱雑に扱っても問題ないと想像できたかと思います。

 

では、2つ目の質問です。

ポリエステルとカシミヤはどちらの方がより高い素材でしょうか。

こちらも簡単ですね。当然、カシミヤの方が高級素材です。

 

以上から分かる通り、高級品はむしろ繊細な素材を使っていることが多く、お手入れにも気を使う必要がある物が多い傾向にあります。

革製品も同様で高級品ほど素材は繊細。

例えば、カーフレザーなんかが好例です。

カーフレザーとは、生後6ヶ月以内に屠殺された仔牛の革を指します。カーフレザーはキメの細かく滑らかな表情が人気です。

一方、成牛の革よりも薄く伸びやすく傷も目立ちやすいといった特徴があります。

カーフレザーは最も高級な原皮ですが、より繊細な素材でもあるのです。

 


耐久性よりもデザイン性を優先することも?

次に考えられるポイントとして、高級品は素材だけでなく構造も弱い可能性があります。

なぜ構造的に弱いアイテムが存在するかというと、デザイン優先の物作りをしているから。

カバンや小物の企画を起こすにあたって、物の形を決める要素として大きく3つの考え方が存在します。それが「丈夫さ」と「デザイン」と「作りやすさ」です。

この3つの要素は、時に交わったり時に反対へ向いたりしながら最終的に物が出来上がります。

企画の趣旨によって、これら3つの要素の中で優先される項目が決まってくるのですが、丈夫さが優先されることもあれば、デザイン性が優先されることもあります。

特にラグジュアリーなどの嗜好品の世界は、デザイン優先が顕著に現れることもしばしば。

それらデザイン優先のアイテムは、デザイナーが描いた絵を現実の物とすることが最大のテーマとなります。

絵を立体物へ変えるにあたって、時に丈夫さが損なわれている場合もあるのです。

例えば、ミニマルデザインにするためにステッチを入れないとか、いったい何を入れるのか分からない極小バッグが発売されたりなど、日常生活に馴染まない奇抜なバッグがリリースされていますよね。

これら機能性や耐久性が企画段階から勘定に入れられていないアイテムは、確かに高級品だけれど丈夫な品物とは言い切れないですよね。

以上、天然素材は繊細であることと、デザイン優先した作りから「高い=丈夫」が必ずしも正しいとは言えません。

特に繊細な素材×耐久性を考慮しないデザインの商品も多く存在します。

もちろん、高級品ほど縫製が丁寧な確率は高いですし、そもそも「丈夫ではないこと=悪」ではありません。

 

しかし、「『良い物なんだから5年10年と使えるだろう』と思って購入したものの、半年で使えなくなった」なんてことが起きてしまっては悲しいですよね。

至極真っ当な結論になってしまいますが、高くて丈夫なものもあるし、高くて丈夫でないものもあります。

 

自分の条件と狙っているアイテムの趣旨をきちんと把握して間違いないお買い物をしたいですね!

 


では、Flathorityのアイテムは何優先?

高級品が必ずしも丈夫でない理由はお分かりいただけましたか?

ここまでは一般論として、世の中にあるアイテムを大きな枠組みでお話ししてきました。

ここからは我々Flathorityのアイテムに限定して丈夫さの観点を話して参ります。

 


Flathorityは「繊細な素材」と「丈夫な構造」

タイトルにもありますが、Flathorityは「繊細な素材」と「丈夫な構造」をかけ合わせたアイテムを多くリリースしてきました。

国内外の高級皮革を中心に、エイジングの豊かさを味わえるレザーを厳選。それら繊細な素材を革製品のファクトリーブランドとして半世紀以上培ってきたノウハウを元に製品化しています。

 

Flathorityでは他社のOEM製造を数多く請負う中で、修理業務も行っているのですが、修理はノウハウの宝庫です。

修理が必要なバッグたちは改善点を多く含んでいます。修理依頼を受けるたびに構造を見直し、修正を重ねてきました。これらの経験を集積させた技術をFlathorityのアイテムに反映しているのです。

時には様々なレザーを用いて試作することも。

 

一方、Flathorityは職人を中心とした集団ですから、ラグジュアリーブランドが手掛けるような機能性を度外視したアイテムを作るのは正直苦手です。

どうしても「長く使えて丈夫であること」をないがしろにはできません。

私達は奇抜さだけでデザインを描くことをせず、自分たちが良いと思える製品を作ってきました。

細かいパーツまでクオリティを妥協しないオールジャパンメイド

 

奇抜なデザイン力を苦手とする代わりに、1952年から真摯に続けてきた「作ること」が得意なブランドとの自負は持っています。丈夫さを犠牲にしたモノづくりをすることはありません。

これからも、愛着を持てる質実剛健なモノづくりを目指して参ります。

 


おわり

本日は「高い物=丈夫ではない話」と題しまして、高いもの全てが長年使うに耐えうるアイテムではないことをご紹介しました。

その理由は「高級素材ほど繊細」と「デザイン優先で丈夫さ度外視」の2つでしたね。

もちろん、全てがこの2つに当てはまるわけではなく、高級品かつ丈夫なアイテムも数え切れないほど存在します。

大切なポイントは、あらかじめ知識として色々なアイテムがあること把握すること。

目の前にあるアイテムの趣旨と自分の条件がマッチしているのか見極められるようになることです。

また、全てのアイテムに言えることですが、どれだけ丈夫に作られていてもご使用環境や経年劣化によって、いつかは壊れるときがやってきます。

一生使っていきたい物はあっても、一生使えるアイテムは存在しないことを念頭に、愛着のあるアイテムほど大切に使っていきたいですね。

そして、Flathorityは「繊細な素材」と「丈夫な構造」をかけ合わせたモノづくりをしていることをご紹介しました。

今後もお手入れの手間はあるけれど、よっぽどのことがなければ壊れにくいアイテムをリリースしていければと考えております。

 

私どもの考え方に共感していだだけましたら引き続きFlathorityを応援していただければ幸いです。

 

本日は以上です。では、また!

 


Flathorityのオススメアイテム


Land Glasses Case (FP-507) ¥13,530(税込)

 


Land Long Round Zip (FP-515) ¥31,900(税込)

 


Coimbra Tote(S) (CF-102) ¥46,200(税込)

 


Coimbra Tote(M) (CF-103) ¥59,950(税込)

2023.12.01 | その他
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