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知らないと直ぐに壊れる?バッグの内装生地に関するお話
革製品ブランドが運営するブログとして、多くのレザーについて特徴やメリット・デメリットをご紹介してきた本サイト。
レザーに関するコンテンツだけであれば大変充実してきましたが、革製品はレザーだけで構成されてはいませんよね。
例えば、Flathorityを代表するレザーバッグのキャタピラーリュックSだとレザー以外に生地、金具、ファスナー、芯材が使用されます。
つまり、レザーの知識だけでは革製品を語りきることは出来ません。その他の部材についても知っていくことで、より自身に合ったアイテム選びができるのです。
そこで、本日は生地のお話をしていきます。
革製品では、主に内装として用いられることが多い生地ですが、実は非常に重要な素材です。
革だけに注目し過ぎたあまり生地について見落とすと、せっかく手に入れたバッグを直ぐに壊してしまいかねません。
生地の選び方や素材ごとのメリット・デメリットを紹介しますので、お買い物の参考にしていただければ幸いです。
それでは、いきましょう!
高級感の天然繊維と耐久の合成繊維
早速生地について紹介していきたいのですが、生地は膨大な変数によって表情を変える素材です。
素材の種類、産地、折り方、加工を組み合わせることで無数の生地が生み出されます。
そのため、1つ1つ細かくお伝えすることはできません。
なので、今回はとんでもなくザックリと天然繊維と合成繊維(化学繊維)に大別して、それぞれの特徴をご紹介します。
高級感の天然繊維
まずは天然繊維から。
天然繊維とは、主原料を天然素材とするもので、植物や動物から採られた原料を用いて作られます。
植物を主原料とする天然繊維の代表としてコットン(綿)やリネン(麻)などは皆様も知るところではないでしょうか。
次に、動物を主原料とする天然繊維の代表は、シルク(絹)、ウール(羊)などです。
これら天然繊維は素材ごとに特徴は異なるものの、共通して高級感があり肌当たりの良さも優れています。
後述しますが、合成繊維は人工的なテカリのある素材も多い中、天然素材はそれぞれの特徴に沿った自然な風合いが素晴らしいです。
織り方やコストによって変動はありますが、高級感という点においては概ね合成繊維よりも天然繊維の方が勝っているといえるでしょう。
ちなみに、私が見てきた天然繊維を採用したバッグだと、コットンを使うケースが圧倒的に多いです。次にリネンとウールを用いたバッグが少数あるかなといったところ。
コットンの採用例が大半であることは、本ブログの結論に通じる重要なポイントです。後述しますので、頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。
耐久の合成繊維
合成繊維(化学繊維)とは、石油などから作られる人工的な素材です。
代表的な合成繊維にポリエステルやナイロンが挙げられます。
合成繊維は加工によって加えられる機能(冷感、発熱、速乾など)が豊富です。
また、大量生産が可能なので天然繊維よりも比較的に安価であることが多いです。
バッグにおける合成繊維の優れた役割としては耐久性の高さが挙げられます。
天然繊維と合成繊維どっちが良い素材?
天然繊維と合成繊維の特徴はお分かりいただけましたか?
では、バッグの内装用に生地を用いるとして、天然繊維と合成繊維どちらの生地を使うべきでしょうか?
結論としては「何を優先するのかで変わる」です。
なんともパッとしない結論ですが、なぜ以上のような結論となるのか、改めてそれぞれのメリット・デメリットから詳細をご紹介します。
- 天然繊維のメリット・デメリット
・メリット
高級感のある自然な風合い
染めやすく発色が良い
肌当たりが良い - ・デメリット
耐久性が乏しい - 合成繊維のメリット・デメリット
・メリット
耐久性がある - ・デメリット
天然繊維ほどの風合いは出せない
さきほどバッグで天然繊維を使う場合はコットンの採用率が高いことをご紹介しました。
なぜコットンの採用率が高いかといいますと、きちんとした理由がございます。それは、天然繊維のデメリットである耐久性について、コットンが天然繊維の中で最も優れているということ。
とはいえ、合成繊維ほどの耐久力はありませんから、総じて天然繊維の耐久性は低いといえます。
その分、天然繊維には合成繊維では出せない美しい風合いがありますから、重い物をバッグに入れない方にはオススメです。
次に、合成繊維について見ていきましょう。
合成繊維の強みは耐久性です。繊維長を人工的に長くすることが可能な合成繊維は引き裂きに強く、ハードに使われることの多いバッグには向いている素材といえます。
一方で、合成繊維は自然な風合いが出しにくく、ノッペリとした印象になりやすいです。
とはいえ、現代は技術の進歩によって天然繊維にも負けない生地も増えてきました。
Flathorityのオーダーバッグには天然繊維にも負けない強い風合いのある東レ製ウルトラスエードが採用されています。
まだまだ流通量が少なく高価ですが、合成繊維のデメリットが解消されるケースも存在するのです。
以上から「高級感優先で重たい物を持たないなら天然繊維」「物を色々入れたいから耐久性は妥協したくないなら合成繊維」という選び方が見えてきたのではないでしょうか。
改めて結論となりますが、天然繊維と合成繊維の優劣は「何を優先するのかで変わる」となります。
皆様はどちらを優先したいと思いましたか?
生地の特徴が革製品の選び方としても重要であることがお分かりいただけたかと存じます。
Flathorityは合成繊維派?
最後にFlathorityのアイテムは合成繊維を採用しているということについて深掘りします。
Flathorityは工場発のファクトリーブランドですから、生産の一方で長年使われて修理に戻ってくるアイテムも多く存在します。
事実として、弊社に届く生地に関する修理依頼は、その多くが天然繊維を用いたバッグです。
もちろん、合成繊維の生地も修理することはありますが、比率としては雲泥の差があります。
やはり、経験ベースでも天然繊維の生地は合成繊維の耐久性には劣るなと思う次第です。
Flathorityではこれまでの経験をもとに、内装に生地を用いる場合は合成繊維由来の素材を多く採用してきました。
もちろん、天然繊維の魅力は重々承知していますし、天然繊維を用いたアイテムが悪いというわけではございません。
ですが、Flathorityのアイテムを長く使っていただきたいという想いから、合成繊維のナイロンや人工スエードを多くのアイテムに反映させています。
簡単には壊れないアイテムをお探しであればFlathorityをご検討いただければ幸いです。
本日は以上です。
では、また!
Flathorityの生地を用いたアイテム
caterpillar S (FF-202) ¥53,900(税込)
Oil Milling PC Ruck(S) (FG-106) ¥46,200(税込)
Oil Milling Briefcase (FG-101) ¥64,900(税込)