Since 1952 Flathority MADE IN JAPAN

BLOG

ラウンドコインケース職人のこだわりと情熱

フラソリティの人気商品であるラウンドコインケース。コインケースと銘打ってはいますが、ラウンドタイプのミニ財布としても人気を博しています。


Shell Cordovan Round Coin (FS-711) ¥33,000(税込)

 

このアイテムを製作する背後には、技術と情熱を持った職人たちの手作業が隠されています。今回は、その製作現場にお邪魔し、職人の仕事ぶりを間近で見せてもらいました。

今回の記事では訪問した際に撮影した各作業の工程や工夫しているポイントをご紹介します。モノ作りの裏側や職人の情熱に興味がある方は最後までお付き合いください。

それでは、いきましょう!

 


革を薄くする「漉き」の工程

革製品の製作は、その最初の工程から細部にわたる精緻さが求められます。特に、革を薄くする「漉き」の工程は、製品の仕上がりに大きく影響します。

ここでは、職人が革を均一に薄くしていく様子が見られました。

小物はちょっとした妥協が細部に現れやすいため、最初の漉きから重要な工程が始まります。ラウンドコインケースはその小ささゆえに、小さな作業の積み重ねが重要です。

最終的な製品の美しさを決定づける工程といえるでしょう。

 


糊付けのこだわり

次に見たのは、糊付けの工程です。

糊を均一に塗ることが求められるこの作業、少しのムラが革の中に凹凸を生み、最終的な仕上がりに影響します。職人の手際よい作業は一見簡単そうに見えますが、実際には高度な技術が必要です。

革の端までキレイに塗れるように段差を活用したり、パーツや革の特性ごとに使用する糊を変更したりと工夫も様々。ヘラに付着した余分な糊を小まめに拭い取りながらの作業は細かいけれど流石の一言。

量産は一度に数十から数百個の製品を一気に作ることが普通なので、本心としては糊付けをササッと終わらせて次の工程へ進みたいところです。しかし、品質を上げるために工程を分けたり糊を拭いつつ進めていきます。

また、革の表面同士を貼り合わせる工程では、接着力を高めるために敢えて革の表面に傷を付けていました。

一見すると地味な作業かもしれませんが、この細やかな作業がFlathorityの製品の品質を支えているのです。

 


貼り合わせた革の余分な部分を削ぐ

次の工程は、貼り合わせた革の余分な部分を削ぐ作業です。

ギリギリをしっかりと裁断することで、綺麗な断面が生まれます。この作業もまた、製品の美しさを左右する重要な工程です。

以降で紹介する磨きの工程もこの工程がきちんと成されているからこそスムーズに進行します。

 


革の断面を磨く

手で裁断した革を磨く工程も見逃せません。

「バフがけ機」を使用して革の断面を滑らかにするこの作業は、製品の最終的な質感を大きく左右します。丁寧に磨かれた断面は、製品の見た目と手触りを一層引き立てます。

コバ液を塗り、スリッカーと呼ばれる道具でコバを磨きます。この最終工程で、製品に艶やかで美しい仕上がりが生まれるのです。

 


ヘリ返しの技術は特に凄い!

革同士を貼り合わせた後に行う「ヘリ返し」の工程。

これは、表の革を裏の革へ被さるように貼り合わせる作業で、余分な革が生まれるため、「菊寄せ」と呼ばれる技法で革をきれいに寄せていきます。この作業は見た目以上に難しく、私も挑戦してみましたが、きれいに寄せることが非常に困難でした。

私が試しにやってみると、ヒダを均等に作るのが難しく仕上がりは非常に不格好。

製作経験なしの私が挑戦している様子

 

職人作業は正確かつ早い!

技術の高さを改めて実感しました。

 


ミシンがけの職人技

ミシンがけの工程では、いよいよ職人の本領発揮です。

特に、革の中央をまっすぐ縫う作業は、ガイド(補助具)がないため非常に難しいとされています。職人の小気味よいミシンがけは、さすがの一言に尽きます。

 

難しいことを簡単そうに行ってしまう様は正にプロの技。プロ野球選手も難しい捕球を簡単そうに行ってしまいますが、スーパープレーを当然のようにやってしまうのがプロの世界なのでしょうね!

 


改造も職人の色が出る

実は職人の世界で当然のごとく行われていることが「改造」です。

市販品をそのまま使用するのではなく、自分が使いやすくなるように改造するが日常的なんだとか。

この職人も様々な道具を改造していまして、「念引き」も興味深い工程でした。

元の念引き用の機械は発熱しないのですが、電線を巻きつけて熱を発生させ、より強く念引きが入るように改造されています。

その他、ミシンも革に負荷がかからないように金属を削ったり、色々と改造の跡を見つけることができました。

 

職人自らがDIYした糸の保管棚も圧巻です。色ごとに分かりやすく管理されていますね。

整理整頓も良いモノ作りには欠かせませんから、非常に興味深く見させていただきました。

 


職人のこだわりと情熱

フラソリティのラウンドコインケースは、職人の手間ひまと技術が詰まった逸品です。

 

今回、製作現場を訪れてみて、改めて職人のこだわりと情熱を感じることができました。

ラウンドコインケースは写真に写っていた職人が一人で作っており、この方の技と心意気が詰まっています。きっとパーツ1つ1つからこの情熱を感じていただけるでしょう。

あなたもぜひ、このラウンドコインケースを手に取り、その魅力を実感してみてください。

 

本日は以上です。

では、また!

 


ラウンドコインケース


Shell Cordovan Round Coin (FS-711) ¥33,000(税込)

 


waterOil Cordovan Round Coin (FM-711) ¥25,300(税込)

 

2024.07.29 | 職人
上へ戻る
上へ戻る