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節約とエコを考えたなら本革製品を買え

鮮烈なタイトルで驚かれたのではないでしょうか。

 

ナイロンから合皮まであらゆる素材が使用される昨今の小物市場ですが、その中でも本革をオススメするのはどのような理由からでしょうか。レザーブランドとしてのポジショントークですかね?
正直、ポジショントークの要素も多分に含まれるかもしれませんが、私は本心からバッグやシューズは革製品をオススメしています。

 

というのも、現代の消費者は製品を購入する際に、環境配慮や節約効果を考慮することが増えていますよね。SDGsもよく聞きくようになりました。こうした文脈の中でレザーがオススメなのです。

本日は、本革製品がなぜ節約とエコに優れた選択肢なのかを探ります。革製品の価値を理解し、長く愛用することで、賢い消費を実現しましょう。

 


レザーって環境負荷が高いんじゃないの?

SDGsやレザーの知識をお持ちの方は「いやいや、レザーはむしろ環境に悪いでしょ」と思われたのではないでしょうか。

その通り、これまでレザーは環境にとって「悪」として見られてきました。

というのも、牛を育てるには大量の水が必要です。また、牛のゲップに含まれるメタンガスは、二酸化炭素よりも温室効果が高く温暖化を促進していまうからです。そんな悪者扱いの本革ですが、それでもエコの観点から本革をオススメします。

以降、なぜオススメなのか解説して参ります!

 


本革製品の耐久性と節約効果

本革の1番のオススメポイントは耐久性です。

本革は適切なケアを行えば何年にもわたって使用できる非常に耐久性の高い素材。長期間にわたり使用できるため頻繁に買い替える必要がなく、結果的に節約につながります。

特に高品質な本革製品は経年変化を楽しむことができ、使い込むほどに味わいが増します。愛着も増していくことから、心理的にも簡単に買い替えたいと感じることはありません。短命な人工素材の製品を何度も買い直すよりも、長期的にはコストを抑えることができるのです。

例えば、5万円の革バッグを10年間使用すると、1年あたりのコストは5000円。1万円の合皮バッグを毎年買い替えるよりも、長期的には本革製品の方が経済的です。

むしろ、革は年々高騰しているため、10年後には同じ品質アイテムの価格はもっと上がっている可能性が濃厚です。以上を踏まえると、5万円の革バッグを10年間使用する方がエコで経済的と言えるでしょう。

 


副産物の有効利用としての本革

畜産業は世界中で行われており、その過程で大量の牛皮が副産物として生じます。これらの皮を使用することは、資源の有効利用という観点から非常に重要です。

仮にこれらの副産物を無駄に廃棄してしまうと、貴重な資源を無駄にしてしまうことになります。

確かに畜産業が環境に与える影響は無視できません。しかし、食肉をしているという事実に変わりはなく、人が牛肉を食べ続ける限り副産物まで使い切る責任が生じるのです。

もし人々が牛肉を食べなくなる未来が訪れた場合、牛革の利用は完全にSDGsに反することになるでしょう。ただし、そんな時代はまだ遠く、現時点では副産物の有効利用が賢明です。

したがって、本革を使用することは、サステナブルな消費を促進し循環型経済の一環として資源の最大活用を図る行動と言えるのではないでしょうか。

 


ヴィーガンレザーの現状と課題

一方で、エコの観点から代替皮革も注目されています。エコだけでなく、倫理的観点から動物由来の素材を避けたいヴィーガンという考えの浸透からも需要が高まってきました。

ヴィーガンレザーとは、動物を使用せずに製造される人工皮革です。しかし、現在市場に出回っているヴィーガンレザーの多くは、石油由来の原料を含有したものが多く流通しています。

石油由来のヴィーガンレザーは、製造過程で大量のエネルギーを消費し、むしろ環境負荷が高い場合もしばしば。また、使用後の分解が難しく、廃棄時に環境汚染のリスクがあることも問題視されています。

しかし、近年では米国のスタートアップ企業であるNatural Fiber Welding社のMIRUMのような完全石油レスのヴィーガンレザーも登場しています。これらの新しい素材は、植物ベースの成分を使用しており、石油化学製品に依存しないため、環境への影響を大幅に削減することができます。

このような技術革新は、ヴィーガンレザーの未来を明るく照らしていますが、依然として市場における供給量や価格の面で課題があります。加えて、エイジングや劣化の経過観察は報告を見つけることはまだまだ難しいです。これらの問題が解決され、広く普及するには更に時間がかかるでしょう。

 


タンニン鞣し革が現状最適解?

本革の製造過程においても、環境への配慮が重要です。

クロム鞣しとタンニン鞣しという2つの主要な鞣し方法がありますが、特にタンニン鞣しはエコフレンドリーな方法とされています。タンニン鞣しは、植物由来の鞣し剤を使用して革を処理する方法で、化学薬品の使用を最小限に抑えることができます。このため、製造過程での環境負荷が低く、廃水の処理も比較的簡単です。

また、タンニン鞣しの革は自然な色合いと質感を持ち、使い込むほどに独自の風合いを楽しむことができます。この経年変化は、消費者にとっての大きな魅力であり、長く愛用することで環境への負荷をさらに軽減することができます。

とはいえ、クロム鞣しの革もきちんと排水処理されていれば問題は軽微です。弊社のFDシリーズで使用しているイタリアンレザーもクロム鞣しですが、LWGで認証を取った排水処理施設を有するタンナーで製造されています。

環境負荷を気にされる場合はタンナーまで調べてみるのもオススメです!

 


結論と未来への展望

本革製品は、その耐久性、エコロジーへの配慮、副産物の有効利用といった多くの利点から、節約と環境保護を両立させる選択肢として非常に優れています。

一方で、ヴィーガンレザーの分野も急速に進化しており、特に環境負荷の少ない新素材の開発が進んでいます。消費者としては、自身の価値観やライフスタイルに合った製品を選ぶことが重要です。

今後、ヴィーガンレザーの技術がさらに進化し、環境負荷が低く動物を使用しない製品が一般的になる日も到来するかもしれません。

それでもなお、本革の持つ魅力や価値は変わらず、食肉が続く限り本革も多くの人々に愛され続けることでしょう。

現状はまだまだ本革の実績と安心感は高く、節約とエコロジーの両立を考えるならば、まずは本革製品がオススメです。愛着を持てるアイテムを手に取り、その価値を再認識してみてはいかがでしょうか。

 

本日は以上です。

では、また!

2024.08.09 | その他
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