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バッグメーカーのスタッフが教える「正しいレザーバッグ保管方法」

年も開けて早くも1ヶ月が過ぎようとしていて、時の流れが早すぎて若干引いてしまいますが、皆さまお元気に過ごされていますでしょうか。

今の時期は新年度に向かって、お引越しや荷物の整理をされる方も多いかと思います。

そこで、本記事では、「レザーバッグの保管方法」についてご紹介しようかなと。

いきなりですが、「レザーバッグってどんなふうに保管していますか?」と尋ねられたら、皆さんは自信を持って答えられるでしょうか。

毎日使う一軍バッグほど、つい部屋の隅にポンと置いてしまいがちですよね。しかし、正しい保管をしないとレザーバッグの寿命は大幅に短くなってしまうかもしれません。

 

今回は、Flathorityのスタッフが“メーカー視点”でおすすめするレザーバッグの保管方法をまとめてみました。

「普段使いのバッグには何をすればいいの?」「長期間使わないときはどうすべき?」などの疑問にもお答えしますので、どうぞ最後までお付き合いください!

 


まずはレザーバッグにおける【悪環境】を知っておこう

正しい保管方法をお伝えする前に、まずはレザーバッグを劣化させる「悪い環境」を学んでいきましょう。原因さえ知ることができれば、対策は自ずと見えてくるものです。

レザーバッグが苦手とする環境を知るだけで、日々のケアがぐっとラクになります。これらを避ける・緩和するだけで、劣化を大幅に遅らせることができますよ。

 

1.湿気・乾燥が極端な場所

レザーも元を辿れば生き物の皮-スキン-ですよね。つまり、人間の肌にとって好ましい環境こそ、レザーにとっても理想的といえます。湿度はおよそ50〜60%が好ましいです。

湿気が多すぎるとカビの温床に、乾燥しすぎるとひび割れの原因になってしまいます。

 

2.密閉状態での保管

通気性が悪いと湿度がこもりやすく、カビが大発生するリスク大。

レザーは“呼吸する素材”でもあるので、過度な密閉は避けたいところです。クローゼットにしまうときは、密閉しがちなので要注意!

こまめに扉を開けて換気するようにしましょう。

 

3.直射日光・高温 

強い紫外線は色あせや革の硬化を招きがち。

「窓辺の陽が当たるスペース」に長時間放置していると、ひび割れや退色が進みます。夏場の車内、特にダッシュボードなど、高温になりやすい場所も要注意です。

 

4.ホコリや汚れの放置

バッグ表面に付着したホコリや汚れは、やがてシミやカビに直結します。また、ホコリに革の油分を取られることによってクラックの原因にもなり得るのです。

帰宅後に一拭きするだけで、驚くほど寿命が変わります。簡単なお手入れなので必ず取り入れましょう!

 

5.水濡れ・過度な摩擦

シミや色落ち、傷の原因になるのでこまめに対処を。濡れてしまったら、余分な水分をやわらかい布で拭き取り、陰干ししましょう。

 

以上、レザーバッグにおける【悪環境】でした。ここからはこれらの要因を発生させない正しい保管方法のご紹介になります。

具体的な手法を一緒にチェックしてきましょう!

 


毎日使うレザーバッグの保管法

保管方法について考えてみたとき、2つの分岐点があったので、分けて考えてみました。その2つとは「毎日使う一軍バッグ」と「手放せない長期保管バッグ」です。

毎日使うのであれば、クローゼットに置くには煩わしいし、長期保管するバッグがリビングにあったりするのもちょっと違いますよね。

そこで、保管方法は「毎日使う編」と「長期保管編」に分けてご紹介します。

 

まずは「毎日使う編」です。

レザーバッグを普段使いしている方なら、帰宅後のケアをほんの少し意識するだけで大きく差がつきます。ポイントは以下の通りです。

 

  1. ホコリや汚れをサッと拭き取る

帰宅後、ブラシまたは柔らかい布で表面を軽く拭きましょう。その日持ち歩いたハンカチや玄関にブラシを置いておくのもGOODです。

ホコリを取り去るだけでレザーの劣化を大きく防げます。

ホコリの拭き取りは1回10秒でも構いません。習慣になるまでは大変ですが、とても効果のある手法なので取り入れてみてくださいね。

 

 

  1. 風通しの良い場所を確保

ぎゅうぎゅう詰めのクローゼットやタンスに押し込むのはNGな行為といえるでしょう。  湿気が残るとカビの発生リスクが一気に高まります。

場所は特に問わないものの空気の滞留がない場所を心がけましょう。

 

  1. 型崩れ防止

レザーは変形した跡のまま元に戻らないという特性を持っています。そのため、一度型崩れを起こすと、元に戻すのは容易ではありません。

薄紙を入れてシルエットを保つと、長年きれいなフォルムを維持できます。

 


【コラム】軽量バッグ限定!「吊るし保管」のコツ

実は個人的にオススメの保管方法が「吊るし保管」。省スペースで済む点や場合によっては型崩れも防げることから好きな保管方法です。

しかし、吊るし保管には一定のルールやコツがあるので、コラムとしてご紹介します。

 

・バッグが重すぎないか確認

本体自体が重い場合、ストラップやハンドルに過度な負担がかかります。軽めのショルダーバッグやトートならまだOKですが、ダレスバッグなど重いバッグは対象外となります。

 

・中身は全部取り出す

吊るし保管で最も重要なルールは中身を全て取り出すことです。

やはり、吊るすとなるとハンガーが当たる部分へ局所的に力が掛かってしまうため、なるべく軽量にする必要があります。

フックやバッグハンガーを活用される方は、中身を取り出すか型崩れ防止の紙だけ入れるようにしましょう。

 

・バッグハンガーの活用

https://hands.net/goods/4560442320587/より参照

バッグハンガーとは文字通り、バッグ専用のハンガーです。

ストラップ状やリング状など様々な形状のものが販売されています。バッグに1つ付けておけば、自宅だけでなく出先でも地面にバッグを直置きせずに済みます。

ぜひ、お気に入りのバッグハンガーを見つけてみてくださいね!

 


長期保管するレザーバッグのお手入れ方法

ここからは長期保管編です。

「しばらく使わないかも…」というときは、もう少し丁寧に準備をしてあげると、レザーバッグをより長持ちさせることができます。

ここでは長期保管の方法を5つのステップでご紹介します。

 

  1. プレケア(クリーニング・保革)

表面の汚れやホコリをしっかり落とし、クリームやオイルで潤いをプラスしましょう。長期保管による乾燥を防ぐことができます。一方、クリームの塗りすぎには注意です。クリームが余分に残ってしまうと、次はカビの餌になることもございます。

最低限のクリームメンテナンスに留めることがコツといえるでしょう。

 

2. 型崩れ防止 

バッグ内部に詰め物をして、形が変わらないようにキープ。新聞紙で構いませんが、色移りの可能性があるため、バッグに触れる一番外側だけは白い紙がオススメです。

 

  1. 通気性+防湿対策

ホコリがたまらないように不織布や布カバーに入れる形がベスト。ビニールは通気性がないためオススメ致しません。

湿気がこもりやすい梅雨時などは、除湿剤やシリカゲルを使うのもGOODです。

 

  1. 直射日光・強い熱源は遠ざける

窓際やヒーター付近から離すようにしましょう。同様に加湿器の付近も注意してくださいね!

 

  1. 定期的な点検と換気

理想としては2〜3ヶ月に一度は取り出して、カビや乾燥の様子をチェックしましょう。(私は面倒くさがりなので、半年くらいは放置しそう。)

また、クローゼットは閉め切ったままにせず、こまめに換気するとカビの発生を抑制することができます。その際、サーキュレーターを使うのもオススメです。

 


「細かいケアは無理!」な方への最低限の対策

正直、あれこれ言われても続かない…。そんな方は少なくとも次の2ステップだけは押さえておくと、劣化の進行具合はかなり変わってきます。私と同じ面倒なことが苦手な方は参考にしてみてください。

 

・使った後のひと拭き

ホコリや汚れを取り除くだけで、レザーの長寿命化は計れます。10秒だけでも効果があるので、ホコリを払いましょう。

 

・風通しの良い場所に置く&整え

直射日光や高温多湿、密閉環境は避けましょう。  置くときは雑多に置くのではなく、バッグの形状を整えてから置くようにしましょう。

 


まとめ

本日はレザーバッグの保管方法を「毎日使う一軍バッグ」と「手放せない長期保管バッグ」の2つに分けてご紹介しました。

レザーは一見デリケートですが、少しずつでも正しいケアを続けると、5年・10年先まで使い込める丈夫な素材です。

私たちも日々レザーバッグの製作やお直しに携わっていますが、お手入れ次第で劣化スピードは大きく変わると実感しています。

 

なので、本日ご紹介した「レザーにとっての悪環境」である高温多湿・過度な乾燥・直射日光・汚れの放置・密閉空間をまずは知っておきましょう。

これらを防ぐ対策として、ご紹介した保管方法を実践することでご愛用のレザーバッグを守ることにつながります。

特に共通する要素である「ひと拭き+風通し+型崩れ対策」で、驚くほど違いが出ます。

ぜひ今回のポイントを押さえて、お気に入りのレザーバッグをいつまでもベストコンディションで楽しんでくださいね。

 

本日は以上です。

では、また!

 


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2025.01.31 | 革
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