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レザーと健康【アレルギーへの影響とその対策】
革製品はその高級感や耐久性から多くの人々に愛されています。
我々も自信を持ってオススメしているレザーアイテムですが、極稀にレザーによる健康被害もチラホラと耳にします。
皆様も「金属アレルギーだからクロムレザーは使えない」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。特にアレルギーや敏感肌の方にとっては、レザーと健康の問題は深刻です。
本記事では、レザーが健康に与える影響やアレルギーや敏感肌への対策について詳しく解説します。革製品を安心して楽しむための知識を身につけ、一緒にその魅力を再発見してみてください。
それでは、いきましょう!
クロムアレルギーと皮革製品
レザーと健康の関係性について最も注目したいのが、クロム鞣しによるレザー製品です。
全世界の革生産のうち8~9割はクロム鞣しと言われており、広く一般的なこの加工法ですが、健康とどのような関係があるのでしょうか。
実は一部の人々はクロムによって金属アレルギー反応を引き起こすと言われています。
クロム鞣しレザーは、鞣し剤の主成分である三価クロムが微量に含有されています。この三価クロムは全人口のうち1~3%に対してアレルギー症状を発生させるんだとか。
多くの方にとっては無害なクロム鞣しレザーですが、一定数の方には有害になるんですね。では、具体的にどのような症状が見られるのでしょうか。
クロムアレルギーの主な症状
- – かゆみや赤み、湿疹などの皮膚炎
– 発疹やかぶれ
– 手足のひび割れや皮膚の乾燥
一度クロムアレルギーを発症すると、同じような製品に触れるたびに反応が現れることが多いのです。
クロム鞣しレザーは車のハンドルやシート、ソファからバッグに至るまであらゆる場面に採用されています。
おそらく、生きてきた中で必ず1度はクロム鞣しレザーに触れるでしょうから、これまでに上記の症状を感じたことない方は、どうぞご安心ください。
仮に金属アレルギーやクロムアレルギーがある方は、オススメのレザーも後述していくので、読み進めていただければ幸いです。
金属アレルギーの方は植物タンニン鞣しレザーがオススメ
では、アレルギー体質の方は革製品を諦めるしかないのでしょうか?
答えは「NO」です。もう一つ代表的な鞣し手法である植物タンニン鞣しによるレザーは、クロムを使用しないためクロムアレルギーのリスクがありません。
植物タンニン鞣しの特徴
- – 栗やミモザなどの植物由来の鞣し剤を使用
– 化学薬品の使用を最小限に抑えた伝統的な製法
– 自然な風合いとエイジング(経年変化)を楽しめる
金属レスなタンニン鞣しレザーは一見すると健康リスクのない素晴らしいレザーです。
ただし、注意点もあります。ご使用により革が汗や油分を吸収し、長期間使用するとカビが発生する可能性があります。これが肌に刺激を与えることも考えられるため、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
金属アレルギーの方はタンニン鞣しのレザーベルトやお財布がオススメです。レザーベルト×チタンバックルであれば金属アレルギーの方でも安心してご使用できるので、参考にしてみてください!
カビのリスクを深堀り
カビの話題が出たので、カビと健康被害についてもう少し深堀りしていきましょう。
天然素材である革は、湿度の高い環境や通気性の悪い状態でカビが生えることがあります。このカビは以下のような健康リスクをもたらすことがあります。
- – アレルギー性鼻炎
– 喘息の悪化
– 皮膚のかゆみや炎症
カビの胞子が空気中に舞い、吸い込むことで呼吸器系に影響を及ぼすことも考えられます。
レザーアイテムは定期的なメンテナンスと清潔な保管をするようにしましょう。適切な管理がカビ防止の鍵となります。
関連記事:【カビ対策】梅雨入り前に覚えたいレザーアイテム保管方法
染色剤や仕上げ剤にも要注意
高級レザー製品やタンニン鞣しレザーであっても、染色や仕上げ加工に使用される化学物質がアレルギーの原因となることがあります。
正直、これはどうしようもないといいますか、どれだけ気に入ったアイテムも身体と合わないことが一定数ございます。何かしらのトラブルが発生した際は直ちにご使用をお辞めください。
筆者も大人になってから海老アレルギーを発症して、あの美味しいエビを食べられなくなってしまいました。どれだけ好きでも健康第一ですから、合わない物を無理して使用しないよう心がけましょう。
安心して革製品を楽しむためのポイント
本日は「レザーと健康」と題して、レザーアイテムを販売しているブランドとしては、あまり触れたくないネガティブな側面をご紹介しました。とはいえ、健康は何よりも重要ですから、正確な知識を持っていただきたいと思っております。
改めてお伝えしたいのですが、クロムアレルギーは全人口の1~3%しか発症しないため過度に恐れる必要はありません。
またクロム鞣しレザーに含有する三価クロムは微量ですし、長時間触れない限り、大きな症状は出ないと言われています。
以上の内容を正しく理解して、「これまで気にならなかったのなら大丈夫」と、お考えください。現在、発症している方やその周りの方はクロムレザーよりもタンニンレザーを選んでみましょう!
アレルギーや敏感肌の方でも、適切な皮革製品を選べばその心配は大きく軽減されます。
大切なのは、レザーは多くの方にとって無害であることと、種類さえ覚えればアレルギー持ちであってもご使用できることを知ることにあります。そして、自分の肌質や体質に合ったものを選ぶことです。
では、改めて皮革製品を安心して楽しむポイントをチェックしていきましょう。
1.クロムフリーのレザーを選ぶ。
植物タンニン鞣しの製品を選ぶことで、クロムアレルギーのリスクを回避できます。
2.ナチュラル仕上げの製品を選ぶ。
染料や仕上げ剤の使用が最小限のものを選ぶことで、化学薬品による影響を軽減できます。ヌメ革のレザーがオススメです。
3.購入したら適切な手入れをする。
通気性が確保された場所で保管したり、お手入れをしてカビを発生させないようにしましょう。
本日はいつもと違った視点からレザーを捉え直してみました。金属アレルギーを持ったパートナーへのプレゼント選びにも参考となれば幸いです。
Flathorityではタンニン鞣しレザーのシェルコードバンのお財布やプエブロレザーのメガネケース、クロム鞣しレザーのFDトートバッグなど幅広く取り揃えています。
過去記事では鞣し手法ごとの特徴をまとめているので、気になった方は以下の記事もお楽しみください。
関連記事:改めて鞣しとは?【なめしの種類や特徴をご紹介】
本日は以上です。
では、また!